Talk177:空振り三振
(June 15/2009)
試合はすでに終盤にさしかかっている。両チームともに消耗しきっていた。
試合はもう何年も続いていて、本当のことをいえば、試合が終盤にさしかかっているという確信を誰も持てないでいる。あるのは「もうすぐ試合が終わる」という予感だけだ。
みな、心の中では早く終りたいと願いつつ、勝たなきゃ終われないという執着心に取り憑かれてもいた。このゲームにおいて負けることほど惨めなことはなかった。
ゲームは、一方的展開というほどではなかったにせよ、終止押され気味で、残りのわずかなイニングで得点しなければ敗北を喫するのは明らかだった。惨めな結末が呪わしい足音を響かせている。
自分はこの試合で、ほとんど活躍できていない。
第一打席はさんざんファールで粘ったあと、死球を当てて塁に出たが、牽制球で刺された。客席は冷ややかだ。
第二打席は、やはりファールで粘った末にヒットで塁に出た。しかし得点には結びつかなかった。
そして迎えた第三打席。この打席も長かった。
一球目。ピッチャーの放った球はゆるゆると目の前を過ぎて行き、その「ゆるさ」ゆえにタイミングを外されて空振り。
二球目。ストレートに狙いを定めて待ち構えるも、ピッチャーはタイムをとってこちらの気負いを脱臼させた。球は外側に逃げるカーブで、見送り。2アウト。
試合は明らかに、だれていた。
三球目。目にもとまらぬ速球は自分の腰の高さをすり抜けていった。バットを振るそぶりすら見せられない。空振り三振。
試合は終盤にさしかかっているはずだ。残りイニングはいくつあるだろう。打順はまためぐってくるだろうか。
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