自衛隊派遣に提案
(Dec.20/2003)
いよいよ自衛隊を派遣することになりそうである。テレビなどを見ていると必ず出てくる世論調査や街頭インタビューでは、全体的に派遣に反対する人が多いようだが、まあ世論が適当に反対していた方が政府としても威厳が保てていいのだろう。小泉首相はちょっと自信なさげだが、やる気満々の石破防衛庁長官がなんとかしてくれるだろう。(もし今回のイラク派遣が成功したら、彼は将来の首相候補になってしまうのではないかという気がしないでもない)。
ところでメディアが世論としてすくい上げようとしているのは、イラクは危険であると思うか、とか、もし自衛隊に死者が出たらどうするか、といった、自衛隊が攻撃されることを想定した安全面での心配ばかりである。私の考えでは、「イラク戦争」(←この呼び方やめろよな)で荒廃してしまったイラクに対して、ダダっ子ブッシュ君を止められなかった責任の一端は日本にもある。だからせめてサダムが拘束された以上、復興支援はするべきだ。だが、自衛隊は実質的に「日本軍」であり、これを派遣することにはやはり問題がある。そこで、以下のような提案をしたい。
まず提案の経緯を説明しよう。イラクでアメリカ軍や各国大使館に対して攻撃がくり返されているのは周知の通りである。これが自衛隊に向けられないワケがない。日本だけが「うちは欧米とはちがいますよ。フレンドリーですよ」といったところで効き目がないのは、先日の外交官殺害事件をみればわかる。そこでひらめいたのだ。「自衛隊はいかめしすぎるし、軍隊的すぎる」と。
今回の派遣では北海道駐屯の隊から多く派遣されるらしい。テレビで見るかぎり、彼らの訓練はいかにも軍隊的だ。政府の言うとおり物資の支援をしに行くだけだったら、あの「軍隊らしさ」はいらない。積極的にミリタリー臭さを消していったらいい。
まず丸腰で行くこと。これは絶対条件だ。危険地と安全地のくべつもままならない国で、まさか自分たちの安全だけを確保しようなどというムシのいい話はとおるまい。イラク国民と同じくらいの危険にはさらされるべきだ。
物資輸送にはトラックや飛行機が欠かせないだろうが、これもミリタリー趣味ではダメだ。自衛隊がつかう乗り物はみんなヘビー・デューティー過ぎていけない。飛行機にはアラビアにちなんで「はくしょん大魔王」の絵でも描いて、アルカイーダの志気を脱臼させる。トラックもアラブ世界で有名なイスズの2トンロングをつかう。自衛隊仕様の車高の高いトラックは、ダーク・グリーンに塗られた車体といい、いかにもミリタリーだ。真っ白なイスズのトラックで物資を運び、任務が終わったらイラクに寄付する。かならず歓迎される。
キャンプ周辺では電機メーカー各社から提供してもらうテレビジョンで、テレビ上映館を開くといい。上映作品はもちろん人気の高い「おしん」である。
隊員の服装も変えよう。あの自衛隊服では、いかにも「進駐軍が来た」である。物資援助が目的なのだからヘルメットもブーツもいらない。自衛隊の衣裳を脱いだら、できるだけ現地の人たちとおなじ服装に着替える。ゆったりとして、きっと着心地はいい。これで自衛隊の好感度は確実にアップする。遠隔地からわざわざモノを運んできてくれる外国人がみんなイラク人と同じ服装をしていたら(ついでにひげも伸ばしたらしい)、歓ばないわけがない。ついでにイスラームに改宗しよう。
これだけのことをすれば、イラク支援はかなり成果を上げるはずである。
以上は、自衛隊が派遣されるという前提での提案である。しかし、もし自衛隊が行かないで済むのなら、別の方法がある。
今回は「物資の輸送」が主な任務らしい。だったら輸送のプロに任せればいい。つまり佐川とかヤマトとか、そういった流通の会社に業務を発注するのだ。もちろん、日本の運送会社からトラックやら人材やらをそのまま派遣するのでは芸がない。ここはひとつ、今回の活動を「開発援助」と位置づけて、イラク人に流通の技術を教えに行ったらいい。もちろんトラックとか輸送基地は日本のお金で調達する。その上で、仕事のないイラク人を募って、安全運転と配送のプロ意識をたたき込む。佐川運輸などはすでに中国でビジネス展開しており、異文化における人材開発のノウハウをある程度は蓄積しているだろう。かつては自民党との黒いつながりもあったようだし、ここで一肌脱いでもらってもいいじゃないか。イラクで宅配が根付いたら、これはすごいことですよ。
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